数式を使わないデータマイニング入門

Web2.0時代に必須の技術を本質から理解するという帯に書かれた文言で、中身を見ずに買ってしまいましたが、特に技術的に新しいこととか、マイニングのとらえ方を書いてあるわけではなく、この点は残念でした。また、使われている言葉も専門家が使う言葉とは少し違うものがあった(例えば「交差妥当化」、これはクロスバリデーションの訳語ですが、普通は交差検証だと思います)ので、注意が必要ですね。

一方で、この本の良いところは、マイニング技術の「説明の仕方」や良い「事例」にあるのかな、と思います。また、分析の結果の解釈は人間がやらなきゃいけませんよ、という説明があり、できないことはできない、と書いてあることも良い点です。

この手の仕事をしていると分析のことを知らないお客さんと会う機会も多いのですが、なかなか分析の本質を知ってもらうことが難しいんですよね。分析でできることには限界があることを説明しても、お客さん的には「分析をすれば、何でもできる」とアントニオ猪木か?と言わんばかりの発言をされることも多々ありますし。

そんなときに、この本の事例を持ち出して説明してあげるとか、この本をお渡しする等して理解を深めてもらう・・・といった活用法がありそうです。

まずは、自分の説明をよりよくして、お客さんにわかってもらう努力をする方が先決だったりもしますけどね。

数式を使わないデータマイニング入門 隠れた法則を発見する (光文社新書)

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